あらためて昨夜の奇跡を振り返る

もう、起きてからも何度も何度もビデオを見返しています。

地上波の最後に写ってた琢磨とクルーの笑顔がもう最高でした。

あらためて、このチームは最高のF1チームなんだなって思います。金が無い、人手も足りない…そんな中でも、めげずに前だけを見て進んでいく、そんなチームにサーキットの女神は微笑みかけてくれるんですね。

さて、レースを振り返っていこうと思います。

スタートは5分の発進で1コーナーに向かっていく琢磨に対して、アンソニーは出遅れてポジションダウン。スタートは上手いはずの琢磨だけど、アンソニーが出遅れていることからSA07のラウンチコントロールはそんなに良くないのかもしれない。9コーナーでグラベルにはらんだフィジケラを抜いた琢磨、しかし10コーナーでフィジケラがインを差してポジションを奪い返し琢磨に幅寄せ…そのあおりを受けて琢磨が失速し、そのまたあおりを受けてヴルツがラルフに追突。

そんな感じで始まり、琢磨は第1スティントをひっぱりピットイン後はバトンのアクシデントのおかげもあり、バリチェロフィジケラ、琢磨の順で10位を走行。ここでレースの鍵となったのは抜けないカタロニアサーキットで、ペースの遅いバリチェロがずっとフィジケラを抑えてたこと。そのおかげで、琢磨はフィジケラの後ろ約2〜3秒後方を追いかけることに。その、フィジケラバリチェロに抑えられてたことと、コバライネンの給油時に給油機のトラブルが発覚したことで、早めのピットインを行い、短めの停止時間で、ピットアウト。3ストップ作戦に変更!

一方琢磨は、ミス無く2回目のピットストップをこなし、バリチェロの前にでて9位!!。フィジケラとの差も10秒程度で、このまま間隔が維持できれば余裕でフィジケラの前に出られるが、フィジケラは軽タンの恩恵を得て、琢磨より1秒程度速いペースで琢磨との差を広げていく。カタロニアサーキットのピットロスタイムは確か19秒弱+停止時間。クルーはフィジケラに対してタイヤ交換をせずに給油だけという所謂スプラッシュアンドゴー。残り7周、フィジケラはピットに入り4.9秒の停止…琢磨との差は20秒弱…さぁどっちが8位を奪うのか…

1コーナーからのカメラ。先に移ってきたのはピットレーンから出てきたフィジケラ!。琢磨は間に合わないかと思った、そのとき、マクラーレン・ハミルトンに続いて、スーパーアグリSA07がやってきた!!!1コーナーで8位になったのは琢磨!!その差はもう1秒無かったでしょう。ルノーのクルーが給油リグを外すのに手間取らなかったら、おそらく8位にあがれなかったろうな。ついに、入賞圏となる8位にジャンプアップした琢磨、悲願の初ポイントまであと6周。フィジケラを必死で抑えます。トラブルが出ないかと冷や冷やしましたが…

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ついにチェッカーフラッグ!!1周遅れながら堂々の8位入賞!!!

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やりました〜!!!インタビューに答えたときの第一声が全てを物語ってますね。本当に嬉しそうな琢磨の姿。見てるこっちも、最高に嬉しい瞬間でした。チーム創設からドライバーとして引っ張ってきた分、やはり1ポイントのうれしさが何十倍にも感じられるんでしょうね。

そりゃそうですよ。参戦初年度の去年は6秒遅れから始まり、まともなレースは終盤まで出来なかった。チームの状況を加味すれば仕方のないことだけど、ドライバー琢磨としてはフラストレーションのたまる1年だったはず。そんな努力が一気に実を結んだ、8位入賞。日本の小さな小さなチームが起こした奇跡。この1ポイントって言うのは本当に優勝に値する者だと思います。佐藤琢磨、後にも先にも僕の中では最高のF1ドライバーです!!

レースを振り返ってみれば、他車のリタイヤやアクシデントのおかげって言う見方が出来るかもしれないが、そんなチャンスをつかめるポジションでしっかりレースを出来ていた。この点がスーパーアグリにとっては最も評価できることであり、スーパーアグリが勝者たる所以でしょう。


ともかく、亜久里代表、琢磨、アンソニーをはじめ、スーパーアグリのスタッフの皆さんには本当に感謝したいです。

琢磨を、スーパーアグリを応援し続けて、そしてF1を見続けてきてよかった。そんなことを思ってしまうスペインGPでした。

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ありがとう!!